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山中湖情報創造館 指定管理者による日々の記録です。


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山中湖情報創造館
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山中湖情報創造館
The YAMANAKAKO Library for The People's Creativity.
開館時間: 09:30-19:00

休館日
元 旦 : 1/ 1 (金)
月末休館日:1/29 (金)

山中湖情報創造館 公式
〒401-0502
山梨県南都留郡山中湖村平野506-296
Tel. 0555-20-2727
Fax. 0555-62-4000

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指定管理者のもとで働く....キビシサ。

前回に引き続き....指定管理者制度のもとで働く厳しさについて書いてみたい。

まずは...NPO法人デジ研(いきなり省略させていただく)が、緊急雇用対策事業で受託した仕事の中に、山梨県立文学館にある作家の書簡資料の整理があった。明治期の...しかも達筆な筆文字などで書かれた書簡を解読し、本人または遺族の方の承諾をとり...資料整理するという仕事なのだが、ここでの象徴的なエピソード。

 小林理事長曰く 「業務時間中に、古文書の解読方法を教えている余裕は無い。ただし時間外に習いたいという人には、格安で教えてあげる...と。」 つまり、業務時間とは職員がそれまで身につけた知識や経験や技術/技能などを発揮(出力)する時間であり、経験を積むことはあっても、学習する時間ではない。さらにいえばOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)などができる余裕は無いのである。プロ野球選手が試合中に先輩に野球を教えてもらう...なんてことはないのである(あるプロ野球選手の逸話...「俺のレッスンを受けたいんなら、それだけの授業料をよこしな!!」)。しかもこのNPO法人の有給職員は実績主義である。結果がすべて...といってもいい。その実績が、次の契約に反映される。実績を残せなければ...プロ野球ならば二軍落ちだが、NPO法人に二軍は無いのである。

指定管理者のもとで働く....キビシサ。_a0029259_16142480.jpg さて、そんな厳しい(?)毎日での僕の仕事は...けっこう[書架=開架スペース]にあったりする。
 早番なので、出社してからは、新聞のクリッピングは10分以内と決め、そうそうに書架整理に走る。まずは、寝起きの髪ガタのような書架を、とりあえずお客様に見られても恥ずかしくない程度に書架整理をする。倒れている本、隙間のあいている箇所などを直す。もちろん書架からはみ出している背表紙の凸凹も直す(本の奥行きによってはどうしてもはみ出す本もあるのだが...)。絵本コーナーなどはブックエンドがないだけに、毎朝の日課である(これもなんとかしてくれぃ...と思うのだが...)。
 で、ことあるごとにできるだけ開架の書架を歩き回っている。まずは書架整理をしてからデスクワークに入る様に心がけている。実はこれには深い訳がある...。昨年の開館時に館長からの一言「美しい書架を保つこと」と、僕にとっては図書館のイロハを無料(タダ)で教えていただいた最初のお言葉なのである。あれから1年以上たつのだが、これが実はとても重要な図書館業務であることが...ようやく判りかけてきた(昨今なのである)。

【書架整理の効用】
・美しく整っている書架の図書館を利用すると、気持ちよく利用していただける。
・利用者のモラルが上がる(割れ窓効果抑止)。
・結果として、不明本率や破損汚染紛失がとても少なくなる。
・利用者さんとのコミュニケーションがます。カウンターよりも書架整理中の方が声がかけやすいのである。
・いろんなアイデアが思い浮かぶ(利用者さんだけでなく職員の知的好奇心を触発される)。
・新しい企画のネタにであう。
・次の選書がイメージしやすい(次はここの分類を入れてみようか..とか)
・自館にどんな蔵書があるか、それなりに記憶できている(検索するまでもなくその資料の場所の見当がつく)。
・なによりも、書籍が愛おしくなる。

 などがあげられる。ところが、大学の司書課程では、図書館実習は行われていない。こうした基本中の基本を体験する機会がない。それゆえに...図書館職員といえば、カウンターのイスに座ったっきりで、開架にでるのも返却本があるときだけ...という状態になりがち..である。
これからの図書館職員は、できるだけ館内を歩いて欲しいと思っている。というのも、実は図書館の評価基準のひとつに[職員の移動量: たとえば万歩計による歩数]を入れてみたいなぁとも思っているくらいなのだ...。

 図書館利用者さんたちは、開架スペースがすべてなのである。その開架スペース(商店でいえば商品陳列棚)がまず職場なのである。幸いうちの図書館での貸出返却は91%が自動貸出返却ABCなので、貸出返却のためにカウンターに常駐していなくてもよい。コンビニの店員でもできるように、必要があれば利用者さんのことろやカウンターに小走る。

さしずめ明智光秀なら「敵は本能寺にあり!!」だろうが、新しいカタチの図書館職員としては「仕事は開架にあり!!(カウンターではない)」...なのかもしれない。
by lib-yamanakako | 2005-07-13 23:31 | 私見